検診でまるつけられた歯肉炎(しにくえん)ってなに?

歯医者にくるお子様の医療的問題で多いのは、虫歯と歯肉炎です。
どちらも歯の汚れであるプラーク(歯垢)が原因です。
歯垢とは、簡単に言えば、ばい菌のかたまりです。
目にみえないくらい細かい食べかすの粒子を、ばい菌が分解して、どろどろの物質(不溶性グリカン)をつくり、歯にくっつきやすくして、ばい菌が歯に沈着したものです。
ばい菌を取ることと、歯垢を取ることはほぼ同義として考えて問題ありません。

このプラークは、歯につくと虫歯、歯肉につくと歯肉炎を引き起こします。
ばい菌ですから当然といえば当然ですね。
同じ靴下を何日も変えずにはきっぱなしだったら、水虫や、足の裏がかゆくなります。ばい菌がからだの上で大量発生してしまうと『炎症』というからだの防御反応がおこってしまい、赤くなったり(発赤)、腫れたり(腫脹)、熱をもったり(発熱)、痛み(疼痛)がでてきたりします。(炎症の4大兆候)
この炎症反応は、からだが異物とたたかった結果起こる反応です。

歯肉炎がなぜいけないのか、
歯肉炎は、歯茎が炎症を起こしているので、発赤、発熱、腫脹、疼痛を引き起こします。お子様にとって一番苦痛なのは、歯茎から血が出ることと、ひりひり痛いことです。
また、この炎症が、歯茎の中の骨(歯槽骨)まで到達した状態を歯周病といいます。
炎症が骨までいってしまうと、歯槽骨の炎症に対する反応は、溶けること(入って生きた異物を外にだそうとするため、自分がとける)なので、歯がぐらぐらになってしまいます。

歯肉炎から、歯周病に病状が悪化していきます。
逆に、いきなり歯周病にはならずに病状は歯肉炎から起こりますので、
歯肉炎を治療することは、歯周病の予防になります。

歯ブラシがまっかっかになるように血がでてくるお子さまは歯医者にご相談ください。

過去にいらした乳幼児のお子様で、ものすごい歯肉炎で、
ウイルス疾患が疑われたため、小児科に紹介したところ、『手足口病』だったことがあります。

その場合は、無理に汚れをとって血だらけにすることもせずに、小児科に紹介状をお渡ししております。

お子様のお口の中は、いろんな症状がでてきますので、お気軽にご相談ください。

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