お子様のお口の解剖学 内側の上側

今回は、上の内側の解剖学です。

乳歯の真ん中の部分の外側に上唇小帯(じょうしんしょうたい)があります。その内側に、切歯乳頭(せっしにゅうとう)という、ふくらんだ部分があります。ここは神経や血管の出口で、骨に穴があいていて、強くおされると痛いです。

切歯乳頭から、さらに内側にいくと左右にしわがあります。
このしわのことを口蓋皺壁(こうがいすうへき)といいます。こうがいすうへきは、ゼリーなど柔らかいものをすりつぶす場所です。入れ歯などで、ここが覆われてしまうと熱い、冷たいもわからなくなりますし、味もわからなくなります。
しわになってますが、べろがつねにさわっているので、お食事がたまることはめったにありません。

さらに内側にのどの方にむかって真ん中に線がはしっています。
この線は正中口蓋縫合(せいちゅうこうがいほうごう)とよばれています。
正中口蓋縫合は、頭ができているときに、左右の骨が合体したときの溝です。
ほぼほぼまっすぐです。人の体なので、まがっていることもあります。入れ歯をつくったり、矯正で左右に広げるときの基準になります。

お口全体をみて、歯より外側を口腔前庭(こうくうぜんてい)、内側を口蓋(こうがい)とよぶことがあります。
また、口蓋は舌のいる場所なので、舌房(ぜつぼう)とよばれることもあります。

口蓋の歯肉は、みぎから左まで、すべて歯肉で固くなってます。これを頬粘膜と区別して咀嚼粘膜(そしゃくねんまく)とよぶこともあります。口蓋側はすべて咀嚼粘膜です。

上の内側は口蓋側(こうがいそく)、下の裏側はべろがあるので舌側(ぜっそく)、と上下でわけることもあります。

このように決まっていないと、技工士さんや歯科医師同士で相談するときにコミュニケーションが難しいことがあります。

それぞれ、なにに主眼をおいて呼び方がきまってきます。

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